THCとは麻に含まれるカンナビノイドの一種。また人体にあると言われるエンドカンナビノイドシステムの一部でカンナビノイドに特化した受容体と結合すると言われています。
この中でも脳内にあるCB1受容体はCB2受容体よりもはるかに高い親和性を持つと言われています。このTHCの働きは人間の脳内で生み出される睡眠、食欲、疼痛知覚などを調整する神経伝達物質であるアナンダミドを模範する形で働いていきます。
また末梢神経、抹消器官、免疫系にあるCB2受容体とも結合して抗炎症作用を発揮すると伝えられています。さらに研究からTHC自体ががん細胞を殺し、腫瘍増殖を抑え、身体が腫瘍を検知するを助けることで抗癌作用を発揮すると言った科学的証拠も増えつつあると言われています。
THCの効果と一般的な使い方
大麻を吸うことで「ハイ」になるといった部分はこのTHCとなります。悪いイメージのあるTHCですが、この「ハイ」な気分には様々な作用が伴います。
例えば、時間や空間の感覚が変容すること。食欲が増進。一時的に短期記憶力が低下。多幸感を感じたり、人によってはフラフラとした状態になる事もあります。
これとは逆で低用量THCを摂取した場合は痛みや筋痙攣を軽減、食欲を刺激、吐き気を抑えるなどの効果がある事も研究からわかっています。
これらの効果を得るのにTHCといった物質は薬品とは比較にならないほど安全とも言われています。どのような効果や症状が現れるかは使用する人の年齢、用量、摂取方法、使用頻度によって大きく異なっていきます。
THCは耐性や依存性などあるの?
日本でTHCは認められていませんが、知識として知っておく分には問題がありません。THCの耐性や依存性についてこれからお話をしていきます。
このTHCを含む麻を使用する人の約6%〜9%は耐性がついてしまったり、常習癖、依存症を引き起こす事があると言われています。
耐性とは?
耐性とは薬でも行動でも良いですが、繰り返し使用する事で自然的に起こる副作用の一種と言われています。長期的に同じことを繰り返し使う、起こす事で身体に耐性が生まれて、薬であれば身体に効きにくくなるなどの感覚を覚えていきます。
常習癖と依存症
似ているようなイメージを持つ人もいるかもしれませんが常習癖と依存性はまったく違います。
常習癖と言うのは肉体的、心理的なものであっても起こり得る作用を味わいたいという強い欲求があることです。タバコやアルコールなど常習癖が起こりやすいと言われていますね。
そして依存性。
こちらは衝動的かつ、生活に支障きたすレベルの関わり方になるのが依存性といった定義になります。例えて薬にすれば使いたいといった抑えられない衝動が周りの健康や幸福よりも重要になってしまっている状態です。
麻はこのような常習癖、依存性に繋がる事は非常に低いと考えられていて、安全性に関しては他の薬物よりも圧倒的に優れているといった見解を示す研究者も多くいます。